出自に関する話は難しい。今回の対談も例外ではなかった。ワタシは、出身地について暑苦しい思い入れを語るものには恥ずかしさを感じてしまうし、地方ならではの情報発信とかそういうのを聞くと笑い出したくなる人間である。しかし、一方で逃れられないものも確実にある。
今回の対談の場合、要求する事前知識が多いのも難点である。注釈に挙げた文章を読まないと、まず間違いなく話が見えないと思う。面白いのは、こうして文字に起こすと、普段の政治的立ち位置とお互いかなり違うことを言っていたりすることで、ベンジャミンは最初の草稿を読み、「高校生と広島の悪口ばかり言っている極右のおじさん」のようだとぼやいた。その点については原稿に手を入れたが、彼の発言にその意図はないというのをご理解いただきたい。
これで何が言いたいわけ? と聞かれても困るわけだが(基本は与太話ですから)、やはり教育は重要だよな、もっと広く立場が違う人に分かってもらうのは難しいよな、とは思う。最近そうしたところに端を発する蛮行に不愉快な思いをすることが多いのでなおさらそう思うのかもしれない。
この対談の公開が8月9日になったのは言うまでもなく偶然であるが、当然ながら偶然ではない。
さて、本日の画像はその対談の相方、ベンジャミン氏近影。まさに今回の対談場所で撮られたもの。
以前、対談はお前が一人二役でやっているのではないかと放言してワタシを怒らせた編集者がいるのだが、もっともワタシもその方をはじめて紹介されたとき、「お前があのろくでなしの担当者か」と暴言を吐いているのでお互い様である。