- 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
- 発売日: 2019/04/19
- メディア: Blu-ray
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以下、作品の内容にも触れるので、未見の方はご注意ください。
すごく嫌な映画だった。存分に怖いのだけど、作品の質とは別にこの映画が好きになれない。そうした種類の映画である。
本作では特に音の演出がうまかったな。そう、あの音! あの音ってあまり行儀が良くないというか、ワタシなど少し生理的嫌悪感を催す種類の音なのだが、それをよくもうまく使いやがって。あの音が鳴っただけで登場人物がびくっとなるのだが、それもこの映画の嫌さに貢献している。
役者では、誰もが書くだろうが、家族の多くを死に追いやった精神疾患が子供たちに受け継がれる恐怖を抱える母親を演じるトニ・コレットの驚異の顔芸ぶりがすごかったな。
ホラー映画の系統としては『ローズマリーの赤ちゃん』に通じるのだけど、近年観たものとして『イット・フォローズ』や『ゲット・アウト』なんかも連想した。
ただ最終的なオチは凡庸というか期待外れに思えた。それはエンディングに、本編に感じる禍々しさが足りないことにもつながっている。いずれにしても第一級に嫌な映画である。