ビル・ブルーフォード(今でもビル・ブラフォードと表記したい気持ちがありますが)は、フリップ真理教信者を称するワタシ的には大変な重要人物であり、キング・クリムゾンやイエスにおける彼の張りつめたドラミングが大好きである。
その彼はちょうど10年前、60歳になったのを機に音楽業界をすっぱり引退してしまったのだが、彼のバンド Earthworks の24枚組ボックスセットが出たのを機にインタビューを受けている。
ワタシのような人間からすると、失礼ながら Earthworks の話は興味がなく、やはりクリムゾン絡みになってしまうのだが、このインタビューの後半で、「リック・ウェイクマンやエイドリアン・ブリューは、あなたに引退からの復帰を考えるよう求めてきました。その種の引き合いにどう答えますか?」という質問に対して答えている。
ブルーフォードの回答をざっと訳しておく。誤訳があったらごめん。
6月末にロイヤル・アルバート・ホールであったキング・クリムゾンのコンサートに行ったばかりなんだ。彼らが私にステージで「21世紀の精神異常者」の演奏に加わるようお願いしてきたんで、楽屋から去らなきゃならないと思った。私はもう9年かそこらドラムキットに触っておらず、とても困難なのを説明しなければならなかった。やりたくなかったんだよ。でもねぇ、そこにいた人たちはとても歓迎してくれて、カムバックしてドラムを演奏するよう励ましてくれた。私はそういう人間じゃないんだ。私はそういうのから手を引いていて、もうやることはない。
リックには2017年にイエスがロックの殿堂入りしたときに会った。彼は元気だったよ。彼は私の住む街にまでやってきて、チャリティーライブでデヴィッド・ボウイの「Life on Mars?」なんかを演奏して地元の人を感動させてもくれた。ヤツときたらキーボードに覆いかぶさって、満ち足りたセイウチみたいだったよ(笑)。
エイドリアンはいつだって私のドラマーとしての活動をものすごく激励してくれたし、とても満足してくれていた。ありがたいことにね。我々二人とも1980年代のキング・クリムゾンをとても愛している。あのときは私は確かにうまくやった。オーディエンスが好きかは分からないが、私は好きだ。でも、思うにロバートは80年代のクリムゾンにそれほど満足してなかった。ロバートは今のキング・クリムゾンに満足しているよ。
というわけで、そんな簡単に引退を撤回するわけはないですか。
6月末にロイヤル・アルバート・ホールの楽屋で、ビル・ブルーフォードとロバート・フリップはどういう会話を交わしたんだろう。正直、それは知りたい。
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