今月末に日本でも映画『ドクター・スリープ』が公開になるが、Netflix で傑作「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」を作ったマイク・フラナガンの監督作なので、ワタシも楽しみにしている。
『ドクター・スリープ』は言うまでもなく『シャイニング』の続編なのだけど、スタンリー・キューブリックによる映画版は原作者スティーヴン・キングから厳しい批判を受けるなど毀誉褒貶の激しい作品である。映画版についてあなたが知らないかもしれない25のことが記事になっている。
正直、誰でも知っとるわい、というのも多いのだけど、あっと驚く話もあったりする。
- キューブリックは『シャイニング』を作る前からホラー映画に関心があった(『エクソシスト2』のオファーがあったため)
- 映画『シャイニング』は、1952年にキューブリックが携わったテレビシリーズ Omnibus のあるエピソードがインスピレーションになっている
- キューブリックはキングが書いた脚本を読みもしなかった
- それなのにキューブリックはキングに質問をしている(朝の7時にキングに電話をかけた有名な話)
- 『シャイニング』にはキューブリックの家族が何人も参加している
- キングはキューブリックの脚色に「失望」した(これは上記の通り有名ですね)
- キューブリックは『シャイニング』のロケーション撮影に参加していない(冒頭の空撮ですね)
- 原作では217号室だった部屋が、映画では(オーバールック・ホテルの外観に使用された)ティンバーライン・ロッジの要請で(ホテルに存在しない)237号室に変更されている
- 映画に登場する「All work and no play makes Jack a dull boy」は各国でいろんな風に翻訳されている(紹介されているドイツ語版、スペイン語版、イタリア語版、どれも誤訳に思えるのだけど……)
- 上記の「All work~」をキューブリック自らが全部タイプしたという噂がある
- 映画でPlaygirl誌がこっそり映っている
- ダニー役を演じたダニー・ロイドは『シャイニング』が唯一の出演作ではない
- ダニー・ロイドは『シャイニング』がホラー映画と知らずに演技していた(彼に恐怖を与えないように、キューブリックが彼を守っていた)
- ジャック・ニコルソンの「やぁぁぁ、ジョニーだよ」の台詞はアドリブ
- ニコルソンはあるシーン全体の脚本を書いている
- キューブリックとシェリー・デュヴァルの関係はよくなかった(というか、デュヴァルの役柄に合わせてキューブリックが故意に彼女に辛く当たった)
- ディック・ハローラン役は(『博士の異常な愛情』で一緒に仕事をしていた)スリム・ピケンズにオファーされていた
- オーバールックホテルは、空間的な視点で見ると映画と矛盾する
- セットの多くが、撮影の終わり頃に起きた火事で焼け落ちた
- 雪の中で迷路の追跡場面のために900トンの塩が要った(あれ塩だったのか!)
- 映画の制作に5年を要している
- 原作とも違う、独自のエンディングが存在する(参考:シャイニング幻のエンディング)
- 前作『バリー・リンドン』はキューブリックにとって最も商業的に失敗した映画(だったため、『シャイニング』は当てる必要があった)
- 『シャイニング』は多くの陰謀説を生み出すことになった
- 『シャイニング』の最も有名なファンサイトの運営者は、後に『トイ・ストーリー3』の監督になった(し、『トイ・ストーリー3』は『シャイニング』へのオマージュがいくつかある)
最後のマジか!
個人的な話だが、少し前に人と『ドクター・スリープ』の話になり、相手は『シャイニング』を観てないというので、DVD を貸すよと安請け合いしたのだが、自分のコレクションを見て、『シャイニング』の DVD を持たないのに気づいた! なんてこったい。でも、『シャイニング』は Netflix で観れるというので事なきをえた。
そういえば、同じくキング原作、マイク・フラナガン監督作の『ジェラルドのゲーム』もやはり Netflix で観れるね。
皆さんも『ドクター・スリープ』公開を前に『シャイニング』を観直してみるのはいかがでしょう。
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