Boing Boing や Scripting News といった書き手がリベラルのブログで Lincoln Project(の動画)が取り上げられるのを何度も目にし、これなんだろうと調べたが、日本のネットメディアでこれを取り上げているのは海野素央明治大学教授の文章くらいだった。
面白いのは、この「リンカーン・プロジェクト」をやっているのが反トランプな共和党員なことで、リンカーンの名前を持ち出すのも、リンカーンは共和党の大統領やでという自負からである。
リンカーン・プロジェクトは2019年12月に発足し、20年第1四半期(1~3月)に250万ドル(約2億6900万円)の献金を得ました。民主党系のスーパーPAC「プライオリティーズUSAアクション」と比較すると小規模ですが、注目度はかなり高いです。というのは、同プロジェクトはミッションに、「選挙でトランプ大統領とトランプ主義を破ること」と明記したからです。
リンカーン・プロジェクトは南北戦争による分断の危機を乗り越えたエブラハム・リンカーン元大統領を理想の大統領として位置づけています。これに対して、トランプ大統領はリンカーン元大統領とは対照的で、分断を促進する大統領であると捉えています。
ついに身内から、しかも得意技で〝攻撃〟を受け始めたトランプ WEDGE Infinity(ウェッジ)
リンカーン・プロジェクトがよいのは、YouTube チャンネルでほぼ毎日新作が公開される動画がなかなかに巧みなことで、ありがたいことにどれも1分前後、長くても2分程度なので、字幕をつければ日本人でもだいぶついていける。
もちろん動画の主張はどれも強烈な反トランプなので、それが我慢ならない人にはお勧めできない。
最近もっとも激烈だったのは、トランプが言う「法と秩序(Law and Order)」をタイトルに掲げながら、いかにトランプ陣営の人間が重罪人だらけかを訴える動画かな。
その虚言癖やら大統領選で敗けてもホワイトハウスに居座ることを示唆して多くの人を呆れさせた(でもその感覚をちゃんと伝える日本のメディアがやはりない)、こないだの FOX ニュースのクリス・ウォレスとのインタビューもすかさず「となりのサインフェルド」風の動画にされている。
しかしなぁ、ジョー・バイデンもなんとも頼りなくて、いつヘマをやらかさないか知ったものではなく、大統領選挙のゆくえが読めないんだよな(そもそも選挙自体が成立するのかというところから)。
さて、ドナルド・トランプというと姪メアリーによる暴露本も各所で話題だが(参考:洋書ファンクラブ、Japan In-depth)、邦訳はいつ出るんでしょうな。
Too Much and Never Enough: How My Family Created the World's Most Dangerous Man
- 作者:Trump Ph.D., Mary L.
- 発売日: 2020/07/14
- メディア: ハードカバー