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近年「元奨励会三段」による評価の高い将棋本が多い

奨励会三段(指導棋士四段)の石川泰さんの『将棋 とっておきの速度計算―逆転負けを減らす5つのパターン―』が第34回将棋ペンクラブ大賞において技術部門の大賞を受賞したということで、おめでとうございます。

将棋の技術書というと、昔はプロ棋士が書くのが当たり前で、稀に特異な(あるいは革新的な)戦法を得意とするアマ強豪が書く例も少数ながらあったが、近年は元奨励会会員の方が書き、高く評価される技術書がいくつもあるように思う。

これはかつてより奨励会のレベルが上がったこともあるだろうし、プロ棋士になれなくても YouTube などでユニークな将棋についての見方を示すのが可能になったことはワタシ程度でも思いつくが、このあたり事情を知るインサイダーに解説してほしいところ。

奨励会は壮絶に厳しいところで、そこに飛び込んだ人たちの多くは、プロになれずに退会を余儀なくされる。そのあたりの悲哀については、大崎善生『将棋の子』(asin:B00LP6RWUY)というもはや古典に近い作品もあるくらいだが、退会後も将棋と関わりながら収入を得る道筋ができたのはとても良いことに違いない。

さて、石川泰さん以外にも元奨励会三段の書いた棋書というと、あらきっぺさん『現代将棋を読み解く7つの理論』『終盤戦のストラテジー』もロジカルと評判が高い。

そして、元奨励会三段というともう一方、KAI将棋教室甲斐日向さん『「駒得する」「駒損しない」 中終盤を有利に進めるための必須スキルを伝授』が先月出ている。

こうしてみると、マイナビ出版には感謝しないといけないな。

ワタシが知るのは以上のお三名だが、元奨励会三段で技術書を出されている方は他にもいるかもしれない。

ワタシも一応段位だけは将棋アマ三段だが、瞬間風速で資格を得ただけの話で、厳密にはアマ二段と名乗るのも心もとないくらい。はっきりいって、平成どころか昭和の将棋しか指せないロートルである。ワタシもこうした棋書を読んで将棋の感覚を令和にアップデートすべきなのだろう。

[追記]Kozo Kamada さんにご指摘いただいて気づいたのだが、鈴木肇さんも条件に合致する。ワタシ自身、エルモ囲いをたまさか利用するのに申し訳ありませんでした。

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