矢口史靖の監督作は『ハッピーフライト』あたりまでは観ていたが、その後ちょっと縁がなくなっていた。といっても彼の作品が嫌いになったとかではなく、縁としか言いようがない。
彼にはやはりコメディのイメージがあるが、本作はストレートなホラー映画と聞いて、久しぶりに興味を持った次第である。
観てみると、今野浩喜や安田顕や田中哲司の演技に矢口監督らしいコメディ味もあるものの、110分の上映時間の間弛緩のないホラーに仕上がっている。
しかしね、日本人形でホラーって、予告編にもある存在自体のショック描写は想定できるとして、それで本当に場を持たせられるのかと訝しく思っているところもあったのね。まさか『チャイルド・プレイ』(古い……)みたいに人形が暴れまわるものじゃないだろうし……と思っていたら、ここまでしっかり日本映画における人形ホラーを成功させたのは見事だよね。
もちろん主演の長澤まさみも良かったです。