- 出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
- 発売日: 2006/11/02
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ひたすらジャック・ニコルソンがかっちょいい映画。
はじめからジャック・ニコルソンを想定して書いた脚本らしいから当然とも言えるが、その脚本を書いたロバート・タウン、製作のロバート・エヴァンス(『くたばれ!ハリウッド』(asin:B0001BUD6E)の人ですね)、そして監督のロマン・ポランスキーという特異な才能ががっぷり四つを組んだ名作である。
しかし、だ。タイトルになっているチャイナタウンについて語られる「何もしないほうがよい街」という言葉は、例えば『木を見る西洋人 森を見る東洋人』(asin:4478910189)に書かれるような、個人の能力以上に関係性が重んじられる東洋人の思考法を反映したものじゃないかな。
それに対してロバート・タウンのストーリーは飽くまで西洋的な思考に貫かれたものである。その結果、ノアールに分類される映画でありながらロサンゼルスのダム建設を巡る水問題という少し毛色の変わった題材を持ちながらも、最終的にはヒロインのフェイ・ダナウェイが語る「事件の裏に女あり」という言葉通りの卑小な真相に収斂してしまったようにもみえる。
まぁ、こんなことを考えるのはワタシだけだろう。最後にはフェイ・ダナウェイの哀しさとジョン・ヒューストンの悪役ぶりが際立つ映画だった。