エリック・S・レイモンドが Emacs の開発者メーリングリストに投げたメールが Slashdot や LWN.net で話題になっている。
恥ずかしい話、ワタシは Bazaar(コマンドラインツールが bzr)のこと自体ほとんど知らなかったのだが、元々は Canonical の社員が作った分散型バージョン管理システムで、現在も Canonical のドメイン内に公式サイトがあるが、GNU プロジェクトの一部なのね。
Canonical という出自があり、Ubuntu などがソース管理に使っており、GNU プロジェクトの関係で GNU Emacs も然り。
で、esr は Bazaar は死にかけだから、Emacs は(同じ分散型バージョン管理システムの)git にソース管理を移すべきと提言している。
不都合な真実は、多くの若いハッカーたちにとって、Emacs はとっくに恐竜みたいなものであることだ――扱いが面倒で、図体がでかくて、とっつきにくくて、つまりは前世紀の遺物なんだ。そのイメージと戦うつもりなら、これ以上プロジェクトのイメージを愛想なしで、閉鎖的で、後ろ向きなものを支持する余裕なんかないんだ。
当然ながら、bzr に執着するのはそういう選択肢なわけよ。潜在的な開発者候補を失うことになるが、それは bzr に学習コストがあるからじゃなくて、そのイメージが愛想なしで、閉鎖的だったりするからだ。
皮肉なのは、Bazaar の名前が(多分)esr のかの「伽藍とバザール」にちなんでいること。
esr は Mercurial のほうが好きだったみたいだが、こちらも未来は明るくなさげで、結局この分野は Git が勝ったんだから、ということだろう。
しかし、esr の名前自体久しぶりに見たな(笑)。
- 作者: Junio C Hamano,大塚弘記,川口耕介,kana,大竹智也(tomoya),尾藤正人,WEB+DB PRESS編集部
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