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リーナス・トーバルズのインタビュー日本語訳

id:shiumachi さんによるリーナス・トーバルズのインタビューの日本語訳が JF で公開されている。

JF の Wiki にずっと公開されていたとはいえ、正式公開まで大変な忍耐を要したと思うのでそれを労いたいというのがあり、またインタビューが公開されたときにもワタシは紹介しているが、ボリュームのある網羅的な内容なので多くの人に読んでもらいたいと思った次第。

あと細かい点だが「誰がプロジェクトの中心人物なのですか?」の前にインタビュアーの表記が抜けている。直に修正されるだろうが。(追記:修正されました)

以下、リーナスの気になる発言をいくつか引用しておく(賛同しないものも含まれる)。

ぼくは Linux がとても面白いと思っていて、というかぼくに言わせると、面白い部分こそがぼくを突き動かし夢中にさせてくれるんだよ。ぼくにとって、楽しいってことの一部は退屈しないぐらいの難しさがあるべきなんだ。だから、楽しいってのは楽にできるって意味じゃなくて、興味を引き興奮することを意味するんだ。

ぼくにとってコードをリリースする著作者のライセンス選択は、コードに限らず何でもそうだけど、ほぼ神聖なんだ。それは、もし誰かが何か標準になりそうな本当に面白いものを思いついたら、それがどのように使われるかを選択するのはその人次第なんだ。選択する理由も含めてね。明らかに、そもそもの著作権が存在する理由としてより大きな善の問題があるべきなんだ。

思うに、オープンソースモデルはより一層科学に似てきていて、より一層……それは一歩一歩積み上げていくものなんだ。そしてそういう漸進的なモデルの方がイノベーションよりずっとよいものであることがわかっている。なぜならイノベーションは地図中を飛び回るようなもので、たまに金塊を掘り当ててもそれが何であるかはわからないんだ。

しかしもし何かに追加するやり方で改善しさえすれば、いつかは目的地に到達することができるんだ。一つの相似として……ぼくは科学を挙げるのが好きなんだけど、しかしもう一つの相似は40年前の自動車産業であり、イノベーティブでない日本企業がコツコツと進めていた方法で、彼らが米国の自動車産業の中にいる本当のイノベーターによって見下されていた方法なんだ。

「何から始めたらいい?」という質問をしょっちゅう受けるけど、ぼくのアドバイスはそんな質問するなってことだけだね。むしろ自分が挑戦したいと思うことがわかりきっているぐらいある特定の分野に興味を持っているのでないなら、挑戦しちゃだめだ。そいつはさっさとあきらめて、もし「ぼくの方がうまくやれる」と言えるものに出会い、口だけのやつから実行するやつになる気が起きたとき、自分自身で答えが見つかるよ。

それがぼくには楽しかったから 全世界を巻き込んだリナックス革命の真実 (小プロ・ブックス)

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