年長の友人に強く薦められて観た。エミリオ・エステベスが、父親であるマーティン・シーンを主役に撮った映画である。
面白いと思ったのは、劇中マーティン・シーンは、同行する口の悪い女性に「ベビーブーマー」と呼ばれる。しかし、シーン自身は1940年生まれで、ベビーブーマー世代には入らない。また、主人公の息子役のエミリオ・エステベスは40歳という設定だが、エステベス自身は本作製作時点で40代後半であった。
つまり、良い歳して未だ自分の「道」を見つけられてない息子とその遺志を継ぐ老いた父親という主人公の親子とも、設定上の年齢よりも5歳以上年長で演じている。もちろんこれは意図的なものではないのだろうが、このズレが高齢化社会の日本人から観て、リアルさを加えていたように思う。
やはり、ロードムービーはいいよね。主人公が酔っ払って同行者に絡むところから、映画がグッと締まった印象がある。エステベスの演出が押し付けがましくないのもよい。
余談だが、同行者の一人である人の良さそうなオランダ人役の男、どこかで観たことあるなと思ったら、『ドラゴン・タトゥーの女』で主人公にひどいことをして、その報いにひどい目にあう保護司の男だった!