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AppleやGoogleの社員がブログをやらない理由についてのワタシなりの考察

さて、今回のAppleやGoogleもブログをやるべき理由を訳したのは、一つには少し前にあったニホンの大企業の人間もメリケンに倣ってもっとブログを書きましょうみたいな言説に違和感があったところに本文を読んだからというのがある。そうそう、往々にしてそうした方々が賞賛する Google にしても Apple にしてもブログやっている社員はあんまりいないじゃないか!

それはなぜなのか。Doc Searls の説が素晴らしい。「勝ち組ならばブログをやる必要はない」(笑)

ただ個人的には本文で紹介されている意見、並びに Winer の解釈には甘いところもあると思った。

例えば、Google 社員がブログをやらない理由。Google は確か社員が社内向けのブログをやり(ツールはもちろん Blogger)、社員同士の情報交流に役立てているという話が『Bloggers!』にあったと思う。社内向けで十分利用しているというのが本当なら、家に帰ってまた公開ブログをやるかね? ましてやブログでクビになった社員という実例があるなかで。

さらにいえば、Google という企業の情報秘匿志向がある。「グーグルが成長の痛みを感じるとき」から引用すると、

Googleのある社員が内緒で教えてくれたのだが、同社の幹部らは法律で求められないかぎり(特にせんさく好きなマスコミとは)情報を共有するつもりはないそうだ。

とのことで、トップがこうなら、その下で働く社員も自分の専門分野に特化したブログでどんどん情報公開していこうや、というようにはならないのではないか?

Apple の秘密主義については言わずもがな。最近も新製品情報を掲載したニュースサイトを訴えるなど社内情報リークに神経質であるのはご存知の通り。

ワタシはそれ自体がダメだと言いたいのではない。GoogleApple に見られるように企業文化の影響が社員に及ぶのがアメリカでも日本でもそれなりにあるのを考えろということ。

マイクロソフトChannel9 や Sun の Sun Bloggers のように大企業がポータルを作り、そこで社員にブログさせる例はある。その試みはもちろん素晴らしいし日本の大企業にないものだが、でもこれには会社が社員のブログを目の届く範囲に囲い込み、管理しやすくするという側面は絶対あるはずだ。

あと本文に戻ると、Google にはブログ界との仲介者がいないという Tim Bray の意見もどうだろう。Evan Williams 退社後スポークスマンを務める Biz Stone『Who Let the Blogs Out?』『Blogging』の著者。Google 入社前からブログをやっている)がいるわけだし。

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