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ライブのエンディングの演出についてふと考えた

少し前に Gyaoモリッシーのライブを観たのだが、ライブの最後、モリッシーに始まりメンバーが一人ずつステージから去っていき、最後にキーボーディストだけが残る構成になっていた。

それで思い出したのは、ジョー・ジャクソンの『Laughter And Lust』(asin:B000000WHW)期のライブで、これも最後の "Slow Song" でメンバーが去っていき、この場合は最後にジョー・ジャクソンが残り、シーケンサーだけが鳴る中、"Good Night" の一言とともに終了という洒落た演出になっていた。

このライブの終わりに、ステージからメンバーが一人一人去っていくという演出を最初にやったのは誰だろう(これの逆パターンが、最初一人から始まり、徐々にメンバーが増えていくものだが、これの一番有名なのはトーキング・ヘッズ『Stop Making Sense』)。

おそらく(演劇の世界由来の)古典的な演出手法の一つなのだろうが、ワタシが知るので一番前からこれをやっているのはピーター・ガブリエルである。

1980年以降ピーター・ガブリエルのライブのラストは "Biko" だが、アパルトヘイトの被害者となった黒人活動家スティーヴン・ビコの歌に観客がこぶしを振り上げて合唱する中、ピーガブは「後はあなた方次第です」と言い残してステージを去る。遠藤利明氏(id:ending)は昔、これを観客は振り上げたこぶしの意味を否が応でも内省させる最高のライブの終わり方だと書いていた。

ティーヴン・ビコについては映画『遠い夜明け』が詳しいが、ピーガブの "Biko" にこの映画の映像を組み合わせたビデオをゴドレー&クレームが作っている。

ピーター・ガブリエルが現在もこの演出をやっているから知らないが、遠藤利明氏の文章は、彼の Secret World ツアーについて書かれたものだったから90年代はじめまではやっていたのだろう(といってもそれから10年ヤツはアルバムを作らなかったのだが)。

このときのツアー映像を収録した DVD の本編ラストは "Secret World" だったが、この曲でもメンバーが一人一人ステージから消えていくという演出をやっている。具体的にはピーガブがでかいスーツケースをステージの花道に置き、メンバーがその中に消えていくのだが、最後に中に入ったトニー・レヴィンがうにょーんと戻ってくる場面には爆笑したものだ。

Secret World Live [DVD]

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