定期的にやっている Netflix で観たドラマ(Netflix 独占配信でないものも含む)の振り返り企画を、今回もやらせてもらう。基本的に新しく見始めたものだけ取り上げ、シーズン継続のたびには書かない。今回「Netflixなど」になっている理由は後述。
極悪女王(Netflix)
1980年代、ワタシは毎週「ワールドプロレスリング」で新日本プロレスを毎週楽しんできたが、女子プロレスはまったくといってよいほど見ていない。このドラマを観ても分かるが、この当時、女子プロレスの客は何より女性だったからだろう。
だから、本作の主役であるダンプ松本についてもテレビタレントとしてしか知らなかったのだが、そのようなワタシをも強く惹きつけるのだから、これは優れたドラマなんだろう(その危うさが指摘されているのも承知の上で)。
主役のゆりやんレトリィバァ、唐田えりか、剛力彩芽の三人がそれぞれ見事だった。唐田えりかは『寝ても覚めても』で知って、これは先が楽しみと思っていたらスキャンダルになってしまい、出演作がみれなくなって残念に思っていた。本作にかける気迫というか覚悟は立派なものだ……みたいな評価の仕方はしたくないが、彼女には以前から人気のある韓国だけでなく本国でも活躍してほしいしね。
それにしてもダンプ松本誕生のシーケンスが完全に『ジョーカー』で、『国宝』のある場面もそうだったけど、あれの日本のドラマや映画への影響の強さを再確認。
ブラック・ダヴ(Netflix)
必ずしも好きな内容のドラマではないのだけど、キーラ・ナイトレイとベン・ウィショーのコンビのケミストリーが見事だったし、やはり英国政府も絡むスパイアクションっていいよね。
シーズン2も観ますよ。
百年の孤独(Netflix)
重い腰をあげ、ようやく原作を文庫版で読んでまもなく本作を観れてタイミングがよかった(けど、観てて、あの話ってこんな展開だったかと驚いたところもあったのはナイショ)。
最初、原作と同じく「長い歳月が流れて銃殺隊の前に立つはめになったとき、恐らくアウレリャノ・ブエンディア大佐は――」から始まるところにしびれた。
しかし、あれだけの時間規模の原作なので、次シーズンでも最後までいけないよね? ちゃんと完結できるかが心配。
THE PENGUIN-ザ・ペンギン-(U-NEXT)
昨年末にクリント・イーストウッドの『陪審員2番』を観るために U-NEXT に加入し、せっかく入ったのだからと二つだけドラマを消化した(本当は観ておきたいドラマがいくらでもあるのだけど、キリがないので)。
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』のスピンオフ作品で、引き続きコリン・ファレルがペンギン役をやっているが、『パーム・スプリングス』でその存在を認知し、この5年ばかりドラマにひっぱりだこなクリスティン・ミリオティがハングマン役で対峙する。
マーベルに始まる映画とドラマのクロスオーバーってどうしても拒否感が拭えないのだけど、完全にマフィアドラマな本作は単体で十分楽しめる。しかし、最後『ブレイキング・バッド』でもなしえなかった、まったく予想しなかった展開に震えた。
トゥルー・ディテクティブ ナイト・カントリー(U-NEXT)
『TRUE DETECTIVE』は、ウディ・ハレルソンとマシュー・マコノヒーがダブル主演の戦慄の第1シーズンしか観ていない。本作をチョイスしたのは、ワタシがジョディ・フォスターが大好きで、近年彼女が本領を発揮した映画が観れてない欲求不満があったため。
第1シーズンのような人間存在を越えた凄みはないものの、十分ジョディ・フォスターの演技を堪能させてもらったので文句はない。
阿修羅のごとく(Netflix)
1979年のドラマはまだ物心つく前だったので覚えがない。てっきり現代を舞台にしたリメイクだと思っていたら、オリジナルと同じく1979年を舞台にしているのに驚いたし、是枝裕和の本気を感じた。
四姉妹がそれぞれ良くて、広瀬すずの演技を称賛する声が多いが、個人的には尾野真千子が良かった。
アドレセンス(Netflix)
言わずと知れた話題作なので、ワタシが付け加える話もないのだが、「つながりのテクノロジーはまたしても我々を引き裂く」でも書いたように、ジョナサン・ハイトの『The Anxious Generation』と本作が、若年層への SNS 規制を主導する役割を果たしたと後世に語り継がれるだろう。
スティーヴン・グレアムが(ジャック・ソーンと)脚本を書き、主人公の父親役を演じて本作を主導しているが、ワタシにとっては彼のことは『THIS IS ENGLAND』のコンボ役で知り、近年でも彼は『ライン・オブ・デューティ』の s4 でも重要な役をやっていたが、思えばワタシと同い年なんだな。
なんといっても毎回ワンカットなのがすごいのだけど、これのおかげで説明せずに済ませている事件の謎はあるわけである。それでも絵文字の意味を警官も分かっているようで実は全然分かっていないのを息子に諭される場面など、見方がぐるっと変わる場面がいくつかある。
警察が家に踏み込みジェイミーを逮捕するところから始まるショッキングなe1、前述の場面があり、英国の学校の荒れ具合が描写されるe2、本作のクライマックスと言えるジェイミーと臨床心理士が対峙する迫力あるe3(少年の主人公を演じるオーウェン・クーパーがすごかった……)、そしてスティーヴン・グレアム演じる父親を中心として家族の肖像が描かれる痛切なe4と、それぞれ圧倒される。
Netflix ドラマでそう思うのは稀だが、時間を置いてまた観直したい。
ゼロデイ(Netflix)
ロバート・デ・ニーロが主演というのでこれは観なければならないとなったが、彼に加えてジェシー・プレモンスが脇にまわっても面白くないドラマもありうるんだな、と。
これねぇ……二期目に出馬しなかった元大統領って、どうしてもジョー・バイデンを連想してしまう上に、その彼が女性大統領のために要職に復帰するという筋書きが、カマラ・ハリスが負けて残念でした、な白々しさというか、『ミッキー17』や『スーパーマン』とは逆の構図でどうにも楽しめない作りになってしまっていた。主人公が二期目を断念した真相も結構ひどいし。
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